2025年度のsfTVアニメ動画ランキング 1

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の2025年度のsf成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年04月08日の時点で一番の2025年度のsfTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

63.5 1 2025年度のsfアニメランキング1位
ユア・フォルマ(TVアニメ動画)

2025年春アニメ
★★★★☆ 3.2 (13)
62人が棚に入れました
脳の縫い糸、通称〈ユア・フォルマ〉。 1992年に起きたウイルス性脳炎のパンデミックから人々を救った医療技術は、今や日常に不可欠な脳侵襲型情報端末へと進化をとげていた。 見たもの、聞いたこと、そして感情までも——。 全てが記録される世界で、重大犯罪事件の捜査は、記録の集合体〈機憶〉にダイブできる特別捜査官「電索官」の仕事になっていた。 世界最年少で電索の任についた天才少女、エチカ・ヒエダ。 その才能ゆえに孤立する彼女にあてがわれた新しい相棒は、金髪碧眼のヒト型ロボット〈アミクス〉のハロルドだった。 最強の二人の前に、秘密は全て暴かれる——!

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

9割方を置き去りにする導入。とっかかりが無く過ぎた1話。追記 1巻読みました。

 あらすじを見て、SF刑事もの…サイバーパンクの匂いがするので楽しみにしていました。
 あらすじでは「秘密 トップシークレット」みたいな感じですけど、うなじからのコードを見ると「攻殻機動隊」のような感じです。アミクスというのがロボットだとすると、ロボット3原則のような「敬愛規律」というのがあるのでアシモフのロボットものが入ってきそうです。ロボットと人間のバディ刑事ものだとすると「鋼鉄都市」のような可能性もあります。

 冒頭は空港にビガという少女を見送りに行っています。そして、いきなり通り魔事件のようなシーンが入って、ダリアという女性の事件が発生します。ハロルドというアミクスがいきなり容疑者になっています。

 で、RFモデルというアミクスの問題として話が展開して行き、プログラムと敬愛規律の問題が出てきます。ペテルブルグの悪夢という事件ですね。スティーブというアミクスが、捜査官を打ったという事例があったという話が唐突に出てきます。

 デンサクという作業が脳へのダイブの様です。デンサク官と補助官、バディがいないと操作ができないという設定。ここがこの作品のSF的な骨子になりそうです。ダイブして記憶を探る作業。記憶ではなく抽象的な夢まで絡んでくるようです。マービンに二コラ、レクシー博士。固有名詞が沢山出てきます。ヒロインはアミクスが嫌い、嫌いだったようです。

 これは正直言えば、9割方を置いていく展開だったと思います。キャラ、世界観、設定、そもそも事件の何が不思議なのか。何もわからないまま、怒涛のように1話が過ぎてしまいました。これはかなりの悪手だと思います。私はこうして文章にまとめながら見たので、何となくストーリーや世界観が見えなくはないですが、それでも、まったく手がかりというかとっかかりがありません。期待したサイバーパンク感もあまりありません。それ故にどこに魅力を感じればいいか戸惑っています。現状では、キャラの誰の視点に乗っかれるのかすらわかりません。

 今1話で起きている事件は、通常ならヒロインとハロルドの関係性の構築をして、1つか2つ事件を解決したあと、バディとして視聴者が認知してから始まるような事件です。それをいきなり説明も無しに「このモデルは欠陥品だ」から始めるのは正直、構成としては上手くないと感じます。

 SFものですので、3話までは付き合いたいと思います。多分導入の事件はそこまででケリをつけたいので、この無茶な導入なのでしょう。


追記 でもそうか…アシモフの「鋼鉄都市」以降のロボットものは、三原則にかかわらず、ロボットが殺人に関与するような話が多いので、そこを狙ったのかもしれません。「敬愛規律」でいう「敬愛」とは何か。人間の定義の問題、人間を本質的に敬い愛することとはどういうことか、トロッコ問題のような何か、人間と人類の概念をどう処理するのか、などの話が展開するのかもしれません。
だったらなおのこと、アミクスがロボットと人間性の狭間にあるようなエピソードや、詳細な設定を理解させるエピソードが必要だったと思いますけどね。

 あとは、三原則で嫌な記憶は「メタリックルージュ」ですねえ。あれはまあ…ですので、アシモフに挑戦するハードルをどう乗り越えてくるのか。不安な1話でした。



再追記 原作1巻と2巻の冒頭読みました。

 3巻まで購入。1巻の内容は本シリーズの導入のような位置づけです。2巻のアニメ化された部分を確認。アニメを見るのを優先するか、この後を読んでしまうかは今考慮中です。

 1巻の話は「鋼鉄都市」というより同シリーズの3作目「夜明けのロボット」をモチーフにしていると思われます。(「夜明けのロボット」はたしか絶版なので入手するにしても古書になるでしょう)

 陽電子頭脳の第1人者であるハンファストルフ博士と娘のヴァジリア博士の確執がヒエダ親子と重なります。ジスカルドというロボットの存在は「姉」だし、RFシリーズはヒューマンフォームロボットのダニールとジャンダーのことでしょう。
 グレディアという未亡人とジャンダーの関係は、ダリアという未亡人とハロルドとの関係。ファストルフ博士と対立するアマディロ博士の関係はマトイ父とテイラーの関係でしょう。

 主人公のイライジャベイリが地球にいるときは喫煙者でした。ヒロインは…本作だとタバコを吸ってないのかな?1巻では電子タバコを吸っていて、その描写が丁寧なのはそのせいでしょう。

 これらの内容を詳しく書くと1巻のネタバレになるのでやめておきますが、その構造が「夜明けのロボット」をそのまま持ちこんだような感じで、多大なる影響を受けたのは明らかでした。

 そして、何が言いたいのかと言うと、マトイとハロルドの関係性のみならず、その行動原理や内面、バックグラウンド、世界観などは1巻を読んで初めて理解できることです。

 特にRFタイプの特殊性と一般のアミクスの違い、社会におけるRFタイプへの接し方が前提としてわかっていないと「敬愛規律」そのものをテーマにするだろうストーリーを理解するのはかなり難しいと思います。

 2巻は冒頭しか読んでいないので、なんとも言えませんが、RFタイプの高性能な感情表現が人間に与える影響が生み出す悲劇として、描かれるような感じです。性愛まで行き着くのかわかりませんが「夜明けのロボット」をテーマにしているなら、ある程度の人間とロボットの愛情と肉体関係まで行くだろうし、それが人間を傷つけるジレンマの問題も出てくると思います。

 そうなると…うーん、1巻を飛ばして大丈夫…でしょうか?ビガというキャラが配置された意味とか、ヒロインの内面の出自や弱さ、RFの特殊性、世界観を理解しないまま突き進むのでしょうか。

 そして1番の問題は1巻を読んだとしても、ロボット、AIもののSFを読む気で読まないと、未来刑事バディもので終わってしまいます。テーマを汲むにはSF素養が必要な気がしました。そこを平易に解釈しやすいよう見せるのがアニメの役割だと思うのですが…これで出来がイマイチな印象だと、ちょっと原作者が可哀そうかも。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 4
ネタバレ

アニメアンチ2号 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

赤毛のアンに勝つ!?ダークホース最有力候補

●鬼嫁踊る闘魂プロレス劇場

本作の物語本質は「バディコンプレックス」に求められるのでしょう。

一昔前のSF作品には自由度が許容されましたが、人類世紀の残り時間僅かな
昨今の状況下では遊びの要素は必然的に磨り潰されるのであります。

AI搭載型モデルのキャラとして優秀なのはドラえもんやアトムでありまして
更に言えば「攻殻機動隊」のタチコマはある意味最強のモデルであったのかもしれません。

{netabare}そういう意味では例えば「プラメモ」のアイラも優秀と言えば優秀なのですが
より現代的SF作品の基準に従うなら欠陥モデルの烙印を押されるわけであります。

ドラえもんやアトムでは合理性が不足しており、SFが想定している
近未来の実状とはかけ離れた存在となるのが必然的な運命でありました。

ドラえもんやアトムとは市場を開拓するための広報担当みたいな役割だったのでしょう。
しかしタチコマ以降は商品の性能、実用性が求められる時代となりました。

その一方で未だ近未来の価値基準を完全に受け入れたわけではないリアルタイムの人類は
日常生活における機能的パフォーマンスよりも人間的な充実感を求めるのでありました。

近年のSF作品の使命、あるいは本質とは「予測プログラミング」でありまして、
言うなれば新しい価値観の導入と刷り込みであります。

「攻殻2045」のプリンというキャラにはこのような思惑が働いていたようですが
思惑とは無縁の純粋攻殻ファンはプリンというキャラのゴリ推し展開に対して
拒絶反応にも似たリアクションを示すのであります。

人類は未だに自分の人生に人間的な充実感を求めます。

我らが政府が掲げる【ムーンショット計画(or目標)】は待ったなしの絶賛進行中
でありますから、今更かつての「ヒューマンライフ」がどうこういう声に耳を貸すわけもなく
ガンガン行こうぜと指令は下り、かくして「スーパーシティ」が舞い踊る状況になるのであります。

小難しい設定のごり押しはおまけみたいなもので、AI搭載型モデルとの
パートナーシップに全力注ぐことが本作に課せられた使命のようであります。

敢えて声優夫婦のキャスティングを仕込んだ理由もその辺にあるような気がいたします。

個人的には「プリンの惨状」の繰り返しの結果を見積もっていますが、
しかしながら恐らく本作は「バディコンプレックス」という面でこれでもかと
盛り上げてくることは必至でありますので、油断は禁物、AI搭載型風情の
人間演技力に刮目せよと言わざるを得ないでしょう。{/netabare}



事前予想の暫定評価にすぎませんが、もしかしたら?という期待が持てそうな作品であります。

SF系クライムサスペンスもの。
サイコパスや攻殻機動隊みたいなテイストが効いております。

(中の人が夫婦の)バディ捜査官の物語ということで
その辺も話題になっているようであります。

PVなんてものは大抵面白そうに見えるよう作っていますから
PV詐欺という可能性もありますが、SF作品というところで他とは一味違う
重みみたいな手応えを本作には感じるわけであります。

単純人気ですと「謎解きはディナーのあとで」や「赤毛のアン」に及ばないかもしれませんが
最終的には高評価の逆転勝利を達成してくれるのではないかと期待が持てそうな作品であります。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 0

fusanosuke さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

構成がヘタすぎる

1話視聴。
構成が下手過ぎる
知らん奴が容疑者となり、その知らん容疑者を知らん奴が庇い・知らん容疑者の善性を語られましても。
人間関係とかさっぱり分からんまま話を進めるし過去の事件も何か良く分からんし。サイバーパンクな警察SFってのもありがちな題材なのにキャラクターやSFガジェットとかにもフックがない。
どうやら一巻の導入部分、エチカとハロルドの出会いとかはバッサリカットしたらしい。どういう判断だ。

設定はロボット3原則だし、『攻殻』なり『マトリックス』なりを観てればわかる内容なので、説明しないのも手法のひとつ
けど、多数の登場人物とその関係性、未知の事件をまくし立てるのは不親切なだけ。
難解さがオサレと履き違えてる感じ

作画もまあ、悪くないんだがやたらガニ股で歩いてるカットとかあって安定してるとは言えない。

『ユア・フォルマ』尾崎隆晴監督インタビュー。人間とロボットのイメージと真逆のエチカとハロルドの関係性が持つ魅力。アニメが原作小説2巻からスタートする理由も聞いてみた。 - 電撃オンライン
https://dengekionline.com/article/202503/34302

>――確かに、原作小説の1巻は2人の出会いが描かれていますからね。

尾崎監督そうですね。その分、アニメでの2人の過去については、インサート的な形で散りばめていて、視聴者に想像で補完していただく、一種の謎解き要素として取り入れています。より詳しく知りたい方は、原作も読んでいただければと。

この改変も理解に苦しむ。余計なことしなくていいでしょ。
アクションもので一話で派手な立ち回り見せるとかならともかくそういう作品ではない。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 1
ページの先頭へ